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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント vol.55 2014.11.19
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日本ビジネス革新コンサルティング株式会社(ジェイビック) 1,851部
このメルマガは、省エネ・品質改善・物流のコスト削減で利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラムです。
急に寒さを感じるこの頃、冬の訪れを実感します。
うがい、手洗いで風邪の予防に気を付けねばと思います。
今号の目次↓
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【ごあいさつ】紙パルプ業界でもお役に立っています!
【メインコンテンツ】省エネルギー活動は農業のように育てる活動にしたい
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【ごあいさつ】紙パルプ業界でもお役に立っています!
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文/高田真一
『脱皮と進化で環境変化に強い業界へ…世界に打ち勝つ技術革新』
10月に盛岡で開催された紙パ技術協会主催の年次大会スローガンです。
JBICにとって3回目の参加となる今回は、「5S教育の進め方」と題して、
シニアコンサルタントの羽根田修が講演を務めました。
講演会場に詰めかけた出席者は120名を数え、この業界での5Sへの関心の
高さがうかがわれました。ブースに立ち寄って下さった方たちも併せ、ご来場
下さった皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
今号では、生き残りをかけて懸命な取り組みを続ける紙・パルプ工場のコスト
ダウン活動の一端を、JBICの関わり方も織り交ぜながら紹介いたします。
エネルギー多消費型のパルプ~抄造工程では、省エネルギーが喫緊の課題です。
但し、設備投資に制約があること、技術系スタッフのマンパワーも限られるこ
となどから、JBICでは、「コツコツ型省エネルギー」と称する取り組みを
開発、主に管理損失にフォーカスした活動もメニューに加えました。
また、大手製紙会社では、全国各地に類似の製品群を生産している工場が分散
しており、工場間の技術の横通しがやりやすい環境となっている反面、工場再
編・統合の歴史から来る風土の違いが標準化を阻む要因ともなっています。
そのために、技術部隊を本社等に集約し、それらの課題に機動的にかつ強力に
推進できるような組織体制をとっていることが特徴的といえます。
従って、JBICも、そうした本社部門と連携をとりながら複数の工場に対す
る支援を行なうケースが出てきました(省エネサテライト方式)。
慢性的な設備トラブルも悩ましい問題のひとつです。
JBICでは、多くの化学プラントで実績のある「工程(設備)稼働の安定化
」を昨年の年次大会で講演したところ、やはり大きな反響を呼ぶこととなり、
現在、いくつかの事業所で導入を検討いただいているところです。
この切り口には、設備が不具合を起こすメカニズムを解明する取り組みのほか、
設備総点検のあり方を見直すものや、ベテランの持つ保全技術を棚卸しして伝
承する仕組みを構築するなど、バラエティ豊かな手法を用意しており、今後の
拡がりが期待されています。
このように、私たちが、石油精製、化学、非鉄金属等の事業体で培ってきた改
善技術が、紙パルプのものづくりにおいても大いに活用されつつある反面、請
負管理改善など、なかなか検討の俎上に乗せていただけないものもあります。
製紙工場の独特の立地条件もあるのでしょうが、やはり、請負会社とのしがら
みが色濃く残っているのでしょうか。
しかし、私たちJBICの取り組みが、一過性のコスト削減に終わらせること
なく、永続的に利益を生み続ける事業体質の変革支援を志している以上、そう
した領域にも臆することなく踏み込んで、業界全体の競争力強化に貢献してい
きたいと考えています。
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【メインコンテンツ】省エネルギー活動は農業のように育てる活動にしたい
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文/石塚 健志
活動の中心は「省エネルギーのネタを探せ!」となることが多いと思います。
経験者は「ネタでしたら」と(ネタということは必ずできるという保証はなく
てもいいという言外の意味が含まれます)幾つものアイテムを思いつくのです
が、ほとんどの人はこういう行動をとります。
(1)省エネ事例集などの書籍を読んでうちの工場に使える事例はないか、探す。
(2)省エネ事例発表大会に参加してうちの工場に使える事例はないかと、聞く。
(3)展示会を見に行き、うちの工場ではどうでしょうかと問い合わせる。
その行動自体には問題はないのですが、探す、聞く、問い合わせるという行為
は狩猟民族特有の行動の様な気がします。
つまり、省エネは良いネタを探すことがすべてであるとか、ネタは探しに行く
ものだという考えが暗黙のうちに刷り込まれているように感じてしまうのです。
これに対して、私は、省エネのネタは狩猟や漁労、採集のように探しに行くも
のではなく、育てるものだという農耕民族の特性を活用することを勧めます。
具体的には省エネを担当する方々の問題意識を醸成するプログラムを使うこ
とです。農耕の対象となるのは畑ですが、これが担当者の意識に相当します。
畑は耕さなければ使い物になりません。耕すことに相当するのが問題意識の醸
成になります。そのためには次の4つが必要です。
(1)理想状態を具体的に描く。
(2)現状実態を正しく知る。
(3)理想と現状とのギャップを認識する。
(4)そのギャップを埋めたい、できるだけ小さくしたいと強く想う。
しかしながら、この4つを行う上で最初からつまづくことが多いのです。
理想状態とは何でしょうか。その基点は物作りのプロセスを対象とする場合は
「その工程で何をしたいのか?」という目的機能になります。
例えば「水分を取り除く」という目的機能はほとんどの工場で必要になってい
ます。その目的機能を果たすためにたくさんのエネルギーを使っています。
この場合、水分はどこから入ってくるのか(または入れているのか)その理
由や目的あるいは原因を問うところから始まるのです。もし、そもそも水分が
なければ取り除く必要もなくなるのですから、究極の省エネのネタになります。
水分をなくすことが技術的、経済的に手が届かない時には、なぜうちは多くの
方式の中で蒸発方式というエネルギーをたくさん使う方式を使っているのか。
他の方式、例えば毛布吸収方式、フィルターろ過方式、膜分離方式‥の方が
エネルギーが少ないと思われるのになぜ採用されていないのか。
それは条件として○○成分の混入を避けたいとか様々あると思います。
この条件をなんとかできないだろうかと考えることになります。
あるいは既存の設備を流用したというような技術的というよりは経済的な条件
の場合もあります。それを「本来はどうしたいのか」と考えることが問題意識
を熟成させる一例です。
2番目の現状実態を正しく知ることにもポイントがありますが、ここでは省略
します。
省エネのネタを探すより問題意識の熟成こそ根源的活動であると思います。
省エネを推進する立場にある方は上記4点を盛り込んだプログラムを採用され
ることをお勧めします。
【追記】
前号で紹介した「コツコツ型省エネルギー活動の進め方」のセミナーで、
2014年11月21日(金) 10:00~12:00 の時間帯はまだ席がございます。
ご参加希望の方は本メールへの返信、またはお電話で承ります。
03-3519-7337 村松まで(不在時は高田までお願いします)。
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編集後記
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高田:麺好きの習性で、出張先では必ず評判のラーメン店をチェックするので
すが・・・。ゴメンナサイ、盛岡はラーメン不毛の地でした(泣)。
石塚:料理が趣味と言っていますが、家族に評判が良いのは本当は市販の合わ
せ調味料を使った時です。自分で調合するとなぜかパッとしない味に
なってしまいます。
羽根田:上野の森美術館にて「葛飾北斎展」を見てきました。葛飾北斎は世界
で最も有名な日本画家だそうです。やはり素晴らしい作品が多く、絵葉
書、しおりなど買ってしまいました。
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