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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント vol.235 2022.3.9
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日本ビジネス革新コンサルティング株式会社(ジェイビック) 4,083部
省エネ・品質改善・物流のコスト削減など、利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラムです。
緩やかながら新型コロナウイルスの感染ペースが鈍化して来ているよ
うですね。4月からの新年度は制限が解除された状態で迎えたいですね。
今号の目次↓
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【ごあいさつ】請負作業の見える化セミナーのお礼
【メインコンテンツ】CO2総量削減への取り組み方
【お知らせ】脱炭素化社会に向けた省エネ活動セミナー
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【ごあいさつ】請負作業の見える化セミナーのお礼
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文/羽根田 修
2022年2月25日に「請負作業の見える化セミナー」を開催しました。
参加者の皆様、ありがとうございました。
今回のセミナーは下記の3つの話をさせて頂きました。
1.請負作業の改善手法:最適人員の算出方法、納得できる料金の構築
2.請負作業改善の進め方:請負会社の育成
3.改善の環境づくり
セミナーの開始時に出席者の皆様に、セミナーの受講動機や特に知りた
いこと、困りごとなどをお聞きします。
今回は「請負費用の改定交渉中だがなかなか納得してもらえない」とい
った悩みが印象的でした。
特に発注側だけで請負作業を査定した場合、細かな作業や実態を反映で
きていないため、納得してもらえず交渉がなかなか進まないということ
はよく聞きます(揉めて困った・・・)。
費用が折り合わなければ他の請負会社に変えるなんてことはなかなかで
きませんから、査定するというスタンスではなく、一緒に納得できる料
金を考えるというスタンスが良いです。
この活動によって請負会社がマネジメント能力、改善力といった人財育
成ができるので、請負費用を下げるのではなく作業を改善することでコ
スト削減できるはずです。
請負会社と一緒に進める請負作業改善をぜひご検討ください。
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【メインコンテンツ】CO2総量削減への取り組み方
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文/石塚 健志
CO2削減は、原単位の改善ではなく、「総量の削減」ですので、原単位
の削減だけでなく総量をどう下げていくかの作戦が必要になります。
総量の削減で一番簡単な方法は生産量を減らすことです、的な対策に思
いますが、より積極的には儲かる製品のみを供給して儲からない製品か
らは撤退することです。
製造部門とすれば個別原価計算の基礎資料を提供し儲からない製品を炙
り出すことが役割となります。しかしこれは製造部門の課題と言うより
は戦略部門の役割ですので特にコメントはないのですが、一つ注意しな
ければならないのは海外生産などの対策で国内の生産を減らしても輸入
することで海外でCO2を排出することになりますので対策にはなりません。
現単位の改善であれば、製品の生産量を上げる対策はほとんどの場合
(コスト低減や利益の増加の)実質の効果があります。収率や歩留まり
を改善する或いは段取り改善で停止時間を減らすなどを行えば製品単位
当たりのCO2量は間違いなく減ります。その理由は生産量に関係なく排出
されるCO2があるからです。
古いプラントや生産ラインほどその傾向が顕著なようです。
CO2排出源単位が下がっても実際に生産量を増やすと今度は生産量に比例
して増加する分があるので、総量としてはあまり減らないとかむしろ増
えることになります。下手をすると炭素増加となってしまいます。
では原単位の改善はあまり意味がないのかと言えばそうでもありません。
ムダを見つけて減らしたり、無くしたり或いは生産効率を上げることは
本来の改善活動であり、日本の企業の得意とするところでもあります。
生産効率を上げるなど生産量に比例して増加する分に使うエネルギーの
CO2排出量はその内容で異なることに着目して、熱エネルギーの場合捨て
ていた熱を回収して使えばCO2排出量はゼロとなりますのでその省エネが
優先されます。もし近隣の他社から蒸気を購入する場合でも同様に評価
されます。
電力では再生可能な太陽光や風力由来のものであればゼロとなりますので
エネルギーの調達でどれだけCO2排出量を減らせるかが勝負どころとなり
ます。
再生可能エネルギーの調達というもう一つの大きな課題も同時並行で進め
なければなりません(これは経営としての最重点課題となりますーAmazon
が有名です)。ただしこれはそろそろ再生可能エネルギーの価格も大幅に
下がって来るとは言われていますが、少なくとも現状よりは上がってしま
いますので、できるだけ少なくて済むように、省エネや電化などの対策も
地道に進めることは言うまでもありません。
例えば使っているエネルギーのうちムダを見つけて5%減らせるとして
、それ以外に回収できるエネルギーが5%、外部から購入するエネルギー
のCO2排出量がゼロとなる(再生可能なエネルギーなど)ものが10%入
手可能とすれば、最大で20%のCO2排出量削減が可能になりますが、生
産効率を上げる改善アイテムがたくさんあったとすれば、CO2排出量の削
減を15%とか10%に抑えて生産量を増やすことが可能です。
どう考えても生産量を増やす方が大きな利益に結びつくと考えられますが
、再生可能エネルギーは高いエネルギー単価となることも十分予想されま
すので慎重な検討が必要です。
例)
1) ムダを見つけて5%減
2) 回収できるエネルギーが5%
3) 排出量がゼロとなる(再生可能なエネルギーなど)ものが10%入手可能
合計 最大で20%のCO2排出量が削減可能
これは会社の方針ですのでまとめ上げる総合改善案は複数構築するのが良
いと思います(実現時期と目標値や投資規模で生産量が規定されてしまい
ます)。
例として、
(1)カーボンニュートラル燃料の導入や再生可能なエネルギー由来の電
力などコストが上がる対策を含まないケース
(2)目標値(例えばCO2排出量20%削減)を達成するケース(前記の
コストが上がる)
(3)生産効率を上げて生産量を可能最大まで上げるケース
などが挙げられます。
各社2030年の中間目標(2050年の脱炭素に向けて)に向かって試
行錯誤の最中でもありますのでまだ自由度も残されているのではないでし
ょうか。
いずれのケースを選択するにしても、製造部門の省エネルギー活動が中心
になることは間違いありません。
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【お知らせ】脱炭素化社会に向けた省エネ活動セミナー
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アメリカのバイデン大統領が主催する気候変動サミットが日本時間の
4月22日午後9時から始まり菅総理大臣は、2030年に向けた温室効果ガス
の削減目標について、「2013年度に比べて46%削減することを目指す」
と表明しました。
従来は、2050年目標排出量80%減で、中間目標の2030年は26%減であっ
たものが、「46%減さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていく」。
となったので、中間目標はほぼ2倍になったとも考えられます。
すでに脱炭素の先進企業は「カーボンフリー2050年へのロードマップ」
というような道筋を描いていても、更なる見直しが求められています。
しかし、政府の考える具体策の中身を見ていくと(まだ十分な検討は進
んでいませんが)、エネルギー源の非炭素化(再生可能エネルギーやバ
イオマスなど)が主であり産業部門のものづくりに関しては「エネルギ
ー消費原単位1%削減(毎年)」であることに変わりはありません。
先進企業においても原単位削減に期待する割合はまったく同じであると
考えられます。
中間目標は2013年度基準なので17年間で合計17%削減、2021年度からは
10%削減となります。ものづくりを担当する立場の方々は事業所として
のエネルギー源の非炭素化に期待するのではなく、原単位を地道に毎年
1%削減していく取り組みこそが求められています。
確実に進めるために、JBICは数年分(2~3年分)の、できれば10年分の
削減項目(省エネの具体的テーマ)を先にリストアップ出来る取組みを
提案しています。
特に、省エネテーマを発掘することに焦点を当てたセミナーを企画しま
したので、活動のリーダーとなられる方や事務局となって推進される方
を対象に以下の内容を解説します。ご参加をお待ちします。
【内容】
1.活動全体のプログラムを設定する
2.対象設備のリストを作り優先順位を決める
3.設備の仕様と、運転管理の実態を調べる
4.熱収支と電力使用のデータを集める
5.テーマの素材を登録する
6.テーマの成立性を登録する
7.取り組み優先順位と担当を決める
8.具体化計画を立て、フォローする
9.組織的に適合性を検討する
10.実行計画を立て、実施・フォローアップする
【日時】
2022/ 4/ 22(金) 9:30~12:00(オンラインのみ)
14:00~16:30(対面方式)
*対面方式はコロナの状況次第でオンラインへの
変更可能性あり
担当講師:石塚 健志
<開催概要とお申込み方法>
開催場所:午前の部:オンライン(Zoom)開催のみ
:午後の部:赤坂見附近辺の会場開催
*コロナの状況次第でオンラインへ変更する
可能性がありますので予めご了承ください
費用:1名のご参加につき 20,000円(消費税等込み)
支払い方法:*お申込み後、ご案内する弊社指定銀行口座に振込を
お願いします。
なお振込手数料は貴社ご負担ください。
お申込方法:本メールへの返信、またはお電話で承ります。
午前の部か午後の部かを明記ください。
03-3519-7337 荒柴まで(不在時は鶴田までお願いします)。
その他:1.参加人数により会議室を変更しますので事前申込は必ず
お願いします。
2.午前・午後ともに最少催行人数は3名様です。満たない場
合には開催を取りやめる場合がございますので、あらかじ
めご了承ください。
3.同一企業様や同一事業所様から多数の申込みをご検討の際
には是非ご一報ください。
個別開催(現地ならびにオンライン)も対応させて頂きます。
多くの方のご参加をお待ち申し上げております!
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編集後記
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羽根田:地元に1本だけ咲いている河津桜がなんともきれいで、いつか
は現地で見たいと思っていました。今年は重い腰を上げて現地
(静岡県河津町)で、満開の河津桜の原木を観ました。心に栄養
がいったかな。
石塚:今年もスギ花粉のシーズンとなりました。以前は花粉の多い日に
だけするマスクでしたが今では外に出る時は普通にマスクをして
いることに気がつきました。
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E-MAIL:< tokyo@jbic.co.jp >
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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント
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省エネ・品質改善・物流のコスト削減で利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラム。
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