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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント vol.221 2021.8.18
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日本ビジネス革新コンサルティング株式会社(ジェイビック) 4,003部
省エネ・品質改善・物流のコスト削減など、利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラムです。
今年も線状降水帯が発生。長く前線が停滞し大きな被害をもたらして
います。やはり温暖化による気候変動の影響を考えてしまいますね。
今号の目次↓
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【ごあいさつ】CO2削減に向けた人財育成研修について
【メインコンテンツ】CO2削減と省エネの取組 3
~「設計損失」への取り組みが可能になったのでは~
【お知らせ】 脱炭素化社会に向けた省エネ活動セミナー
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【ごあいさつ】CO2削減に向けた人財育成研修について
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文/荒柴 宏充
JBICではこれまで非常に多くの省エネルギーコンサルティングを、主
にエネルギー多消費型の事業所を中心にお手伝いをして参りました。
他方、企業の取組みは温室効果ガス大幅削減に向けたCO2削減やカーボン
ニュートラルを目指す活動に大きく転換しています。
しかも2030年までに達成すべき数値目標は非常に高いものになっており、
この目標を達成するためには技術革新と大型投資が必要になってきます。
これまで良しとされたCGS(コージェネレーションシステム)やバイオマス
発電までも見直しを迫られることになると思われます。
CO2排出量を原単位ではなく、絶対値(総量)でカウントされるためこれ
までとは真逆の発想が求められ、企業はその対応に直面して大変な状況
だと推察しています。特に化学メーカーは苦慮されていると思います。
それでもCO2排出量等が非常に大きな設備を抱える事業所はまだ良いかも
しれません。設備投資の最優先対象になるからです。
しかし投資には限界がある上に、技術的支援も大型がメインになります。
では排出量が少ない事業所はどうでしょう?
何もしない訳には行かないので、自分達でネタを見つけ、対策を考えて、
実行する事になります。そこで問題になるのは、今までエネルギー使用量
が少ないため対応出来る人材が限られているということです。
JBICではこれらの事業所への対応策として、CO2削減に向けた考え方や
取組視点などについて、エンジニアや製造関係者を対象とした人財育成
をメインとして研修メニューも実施しております。
是非ご検討ください。
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【メインコンテンツ】CO2削減と省エネの取組 3
~「設計損失」への取り組みが可能になったのでは~
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文/石塚 健志
かなり前になりますが、2年間トラックのコスト低減に取り組んだこ
とがあります。トラックに限らず自動車業界全体で「世界一の方法」に
挑戦していました。
例えば、スズキ自動車はドアを取り付けてから塗装をするので短納期に
対応できるとか、米国の某社は溶接に替えてリベット接合を採用してコ
ストを下げたとかの情報が日々入ってきていました。
「世界一への挑戦」は電化が進む今でも変わらないと思いますが、製造
プロセスの世界では少し足踏み状態だったような気がします。
世界一の製造プロセスを実現しようという意気込みはあっても、生産戦
略が思うように定まらないなどの理由で、必ずしも製造プロセスの改革
への投資は進んでいなかったような気がします。
この世界一と現実との差を当時「機会損失」と呼んでいましたが、元々
製造プロセスは、海外のエンジニアリングの導入から始まり、どちらか
というと改善・改良レベルの改造を加えて今日に至っているようです。
ものづくりの側からは、基本設計はするものの、詳細設計や機器の選定
はエンジニアリング会社や設備・機器メーカーに任せられていますので、
改造を加えても新しい技術が実現すると常に世界一ではなくなる性格の
ものです。
もし中・長期計画で海外移転、プラントのリニューアルが見込まれるなら、
この機会損失を「設計損失」として取り上げる価値が生じると考え、漠
然と機会損失を探すのではなく、設計損失をいくつか提案してきました。
我国が脱炭素社会を目指すと明言されたのですから、2050年に向けた
長期課題、2030年に向けた中期課題として取り上げる価値が生まれてき
たように思いますので紹介します。
まずは「工程設計損失」ですが、プロセスの方式を低炭素型・脱炭素型
から見ると、現状の方式では受け入れてもらえないという損失です。
炭素量の多い業界に対して、製鉄の革新的なコークス代替還元材料(フ
ェロコークス)の活用によるフ゜ロセスの高効率化のための技術開発と
か、革新的なセメント製造フ゜ロセスの技術開発、クリンカ鉱物組成を
変更し、混合材の使用量を増やすなどが提案されています。
製造プロセスの方式変更とも考えられ、このような国家プロジェクトで
なくとも、企業レベルでの部分的なプロセスの革新は可能ではないでし
ょうか。
2つ目は「設備設計損失」は、CO2の負荷の少ない設備の選択と採用と
なります。設備メーカーはCO2の負荷の少ないことをポイントに新規
設備を開発してくると思われますので、従来省エネ機器として売られて
いたものや省エネ大賞を受賞した機器の採用の大きなチャンスです。
R社Y工場では従来から、最新鋭の省エネ設備を計画的に導入すること
が行われていました。今後はそのような事業所が増えるに違いありません。
「搬送設備損失」は少し性質が違い、事業所内のスペースを利用して、
増設や設備の追加を長年繰り返してきたために理想的なものの動きとか
け離れてしまっていた弊害を顕在化することになります。
斜面に作られたT社A工場は索道で原料を一番上まで運び、あとは徐々
に下ってくるレイアウトを採用していましたが、そのような動線を作る
良い機会と思います。
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【お知らせ】脱炭素化社会に向けた省エネ活動セミナー
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アメリカのバイデン大統領が主催する気候変動サミットが日本時間の
4月22日午後9時から始まり菅総理大臣は、2030年に向けた温室効果ガス
の削減目標について、「2013年度に比べて46%削減することを目指す」
と表明しました。
従来は、2050年目標排出量80%減で、中間目標の2030年は26%減であっ
たものが、「46%減さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていく」。
となったので、中間目標はほぼ2倍になったとも考えられます。
すでに脱炭素の先進企業は「カーボンフリー2050年へのロードマップ」
というような道筋を描いていても、更なる見直しが求められています。
しかし、政府の考える具体策の中身を見ていくと(まだ十分な検討は進
んでいませんが)、エネルギー源の非炭素化(再生可能エネルギーやバ
イオマスなど)が主であり産業部門のものづくりに関しては「エネルギ
ー消費原単位1%削減(毎年)」であることに変わりはありません。
先進企業においても原単位削減に期待する割合はまったく同じであると
考えられます。
中間目標は2013年度基準なので17年間で合計17%削減、2021年度からは
10%削減となります。ものづくりを担当する立場の方々は事業所として
のエネルギー源の非炭素化に期待するのではなく、原単位を地道に毎年
1%削減していく取り組みこそが求められています。
確実に進めるために、JBICは数年分(2~3年分)の、できれば10年分の
削減項目(省エネの具体的テーマ)を先にリストアップ出来る取組みを
提案しています。
特に、省エネテーマを発掘することに焦点を当てたセミナーを企画しま
したので、活動のリーダーとなられる方や事務局となって推進される方
を対象に以下の内容を解説します。ご参加をお待ちします。
【内容】
1.活動全体のプログラムを設定する
2.対象設備のリストを作り優先順位を決める
3.設備の仕様と、運転管理の実態を調べる
4.熱収支と電力使用のデータを集める
5.テーマの素材を登録する
6.テーマの成立性を登録する
7.取り組み優先順位と担当を決める
8.具体化計画を立て、フォローする
9.組織的に適合性を検討する
10.実行計画を立て、実施・フォローアップする
【日時】
2021/ 9/ 3(金) 午前の部 10:00~12:00 Zoomによるオンライン開催
午後の部 14:00~16:00 Zoomによるオンライン開催
*午前も午後も同じ内容です。
担当講師:石塚 健志
開催場所:オンラインにて
費用:1名のご参加につき 10,000円(消費税等込み)
支払い方法:*弊社指定銀行口座に振込。口座はお申込み後連絡します。
ご入金確認次第、招待URL等を送付します。
なお振込手数料は貴社ご負担ください。
お申込方法:本メールへの返信、またはお電話で承ります。
午前か午後かを明記ください。
03-3519-7337 荒柴まで(不在時は鶴田までお願いします)。
申込期限:2021月8月27日(金) 24時まで。
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編集後記
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荒柴:ワクチン2回目の接種が終了しました。幸い熱は出ず腕の痛みと
多少のだるさのみでした。副反応が少ないとかえって不安です。
石塚:コロナワクチンの2回目が終わりほっとしていたところ「デルタ
株」には効かないのでしょうか。
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