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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント vol.220 2021.8.4
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日本ビジネス革新コンサルティング株式会社(ジェイビック) 4,002部
省エネ・品質改善・物流のコスト削減など、利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラムです。
オリンピックでの日本選手の活躍、素晴らしいですね!!
酷暑の中、参加するすべての国の選手にもエールを送りたいですね。
今号の目次↓
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【ごあいさつ】省エネコンサルティングの体験者は語る
【メインコンテンツ】CO2削減と省エネの取組 2
~「電化の推進」に積極的に取り組みましょう~
【お知らせ】 脱炭素化社会に向けた省エネ活動セミナー
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【ごあいさつ】省エネコンサルティングの体験者は語る
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文/高田 真一
JBICの省エネルギープログラムは、数多くのテーマ発掘をとおして、
活動に携わった若手技術者の人財育成が図られることに特徴があります。
今回は、様々な立場から活動に携わった各導入企業先の方たちの声
(報告会でのコメントや感想)をいくつかご紹介します。
『テーマ発掘の手順に従っていけば目標のテーマが発掘できる。
コンサルティングを受ける側(技術者)の発想を喚起するマネジメント
に優れている。』(A社 プロジェクトリーダー)
『これ以上ネタは無いと思っていたのに大量のテーマが発掘された。
なぜ今まで気付けなかったのか。この活動は絶対に横展開しなければ
ならない。』(B社 導入責任者の生産技術本部長)
『プロセスの機能・条件が明確になり、若手教育の教材にもなった。
原点に戻ることで新しい発想が生まれ、関連部門と広い視野でディス
カッション出来た。最初は“やらされ感“があったが、終わってみる
と学生時代のクラブ活動のようだった。』(C社 チームメンバー)
印象に強く残っているのは、野球になぞらえながらこのプログラムの
本質を突いた簡潔な感想です。
『ホームランは無かったが、数本の長打と沢山のヒット・四死球、時には
相手方のエラーもあり、それらの積み上げで高い削減率を達成できた』
(D社 プロジェクトリーダー)
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【メインコンテンツ】CO2削減と省エネの取組 2
~「電化の推進」に積極的に取り組みましょう~
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文/石塚 健志
脱炭素経営のなかで電力の再生可能エネルギー化の進展は急激に進み
そうな気配を感じます。その結果従来蒸気で行っていたことを電力に置
き換えるいわゆる「電化の推進」が最も進みそうです。家庭用のエネル
ギーはかつて電力会社主導で「オール電化」を進めてきました。
代表例がIHヒーターでの調理でありエコキュートでの給湯です。
この当時は電気代が高く、経済合理性があまりなく、安全や夜間電力の
活用が強調されていました。電気を作るのに化石燃料を使い30~40
%の変換効率ですのでIHヒーターを使うことで調理中のエネルギ―ロス
を減らせたとしても経済的メリットはほとんどありませんでした。
しかし調理器具がIH対応が増えてきて、なお電気調理器での自動調理が
進んでくると存在感が増してきました。
産業界でも真空を発生させたり減圧するのにスチームエジェクターが設
備費も少なく、メンテナンスも容易なため多用されていましたが、真空
ポンプに置き換えることが省エネにつながると採用されていました。
ちょっと変わったところでは配管の蒸気トレースを電熱トレースに置き
換えると、使っている配管の長さ分だけにエネルギーを使えるので大幅
な省エネを達成している事業所もありました。
しかし、それ以外では電化があまり採用されていなかったのは電気代が
高く設備費が膨大となるのが1番の理由でした。目先の投資採算性だけ
を見ていては電気の良さが見えていませんでした。
石油精製事業では蒸留塔で使うエネルギーがとても大きく、理想形はど
のようなものだろうかと何度も議論したことがあります。蒸留塔の目的
は成分の分離ですので、膜分離があるべき姿ではないかと考えた時期も
あります。
分離膜の開発状況はここ数十年あまり進んでいないようで(私が知らな
いだけかもしれませんが)残念です。
ある石油精製会社の首席技術者の方は「どんなに頑張っても塔頂蒸気を
冷却して凝縮させ10%を還流させることが避けられない」「コンプレ
ッサーで圧縮して凝縮させずに蒸留塔の加熱源として使うことが最大の
熱効率となるが、投資採算性を考えるととても現実性はない」と言われ
ていました。
状況が変わり、カーボンプライシングが世の中の潮流となり、高い炭
素税が課せられたり、再生可能エネルギーによる電力しか使えなくなっ
てくると、むしろ積極的に電化を推進し、より理想的な装置や工程の実
現を目指すことが可能かもしれません。
燃焼炉は炉内雰囲気全体をコントロールすることになりますが、電化に
よってピンポイントで必要な箇所のみ加熱することもできるようになる
かもしれません。
「電化の推進」は高くつくと考えずにより理想に近づける一つの手段と
捉える。必ずその日は近いと思います。
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【お知らせ】脱炭素化社会に向けた省エネ活動セミナー
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アメリカのバイデン大統領が主催する気候変動サミットが日本時間の
4月22日午後9時から始まり菅総理大臣は、2030年に向けた温室効果ガス
の削減目標について、「2013年度に比べて46%削減することを目指す」
と表明しました。
従来は、2050年目標排出量80%減で、中間目標の2030年は26%減であっ
たものが、「46%減さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていく」。
となったので、中間目標はほぼ2倍になったとも考えられます。
すでに脱炭素の先進企業は「カーボンフリー2050年へのロードマップ」
というような道筋を描いていても、更なる見直しが求められています。
しかし、政府の考える具体策の中身を見ていくと(まだ十分な検討は進
んでいませんが)、エネルギー源の非炭素化(再生可能エネルギーやバ
イオマスなど)が主であり産業部門のものづくりに関しては「エネルギ
ー消費原単位1%削減(毎年)」であることに変わりはありません。
先進企業においても原単位削減に期待する割合はまったく同じであると
考えられます。
中間目標は2013年度基準なので17年間で合計17%削減、2021年度からは
10%削減となります。ものづくりを担当する立場の方々は事業所として
のエネルギー源の非炭素化に期待するのではなく、原単位を地道に毎年
1%削減していく取り組みこそが求められています。
確実に進めるために、JBICは数年分(2~3年分)の、できれば10年分の
削減項目(省エネの具体的テーマ)を先にリストアップ出来る取組みを
提案しています。
特に、省エネテーマを発掘することに焦点を当てたセミナーを企画しま
したので、活動のリーダーとなられる方や事務局となって推進される方
を対象に以下の内容を解説します。ご参加をお待ちします。
【内容】
1.活動全体のプログラムを設定する
2.対象設備のリストを作り優先順位を決める
3.設備の仕様と、運転管理の実態を調べる
4.熱収支と電力使用のデータを集める
5.テーマの素材を登録する
6.テーマの成立性を登録する
7.取り組み優先順位と担当を決める
8.具体化計画を立て、フォローする
9.組織的に適合性を検討する
10.実行計画を立て、実施・フォローアップする
【日時】
2021/ 9/ 3(金) 午前の部 10:00~12:00 Zoomによるオンライン開催
午後の部 14:00~16:00 Zoomによるオンライン開催
*午前も午後も同じ内容です。
担当講師:石塚 健志
開催場所:オンラインにて
費用:1名のご参加につき 10,000円(消費税等込み)
支払い方法:*弊社指定銀行口座に振込。口座はお申込み後連絡します。
ご入金確認次第、招待URL等を送付します。
なお振込手数料は貴社ご負担ください。
お申込方法:本メールへの返信、またはお電話で承ります。
午前か午後かを明記ください。
03-3519-7337 荒柴まで(不在時は鶴田までお願いします)。
申込期限:2021月8月27日(金) 24時まで。
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編集後記
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高田:家内と下の娘が2回目のワクチン接種を終えました。普段は鬼の
ような二人が副反応の高熱ですっかりおとなしくなり、久しぶり
に父親として「愛情(らしきもの)」を感じることができました。
石塚:台風が発生しています。数年前には近所の河川が溢れてTVのニュ
ースにまで映っていました。カーボンニュートラルを進めると少
しでも緩和されることを期待します。
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E-MAIL:< tokyo@jbic.co.jp >
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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント
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省エネ・品質改善・物流のコスト削減で利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラム。
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■発行人:日本ビジネス革新コンサルティング株式会社 荒柴宏充
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