ジェイビックは、製造業の利益創出を力強く支援します

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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント vol.197 2020.8.26
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日本ビジネス革新コンサルティング株式会社(ジェイビック) 3,916部

省エネ・品質改善・物流のコスト削減など、利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラムです。

メルマガも夏休みを頂いておりました。今号より再開です。
これからもご愛読よろしくお願いいたします。
今号の目次↓
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【ごあいさつ】セミナー講師をご紹介します!
【メインコンテンツ】装置産業における自動化の課題と解決アプローチ 4
~オーナーズ・エンジニアリング それをどう実践するか~
【お知らせ】装置産業における自動化の課題と解決アプローチセミナー
~オーナーズ・エンジニアリング それをどう実践するか~
オンライン開催のご案内
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【ごあいさつ】セミナー講師をご紹介します!
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文/高田 真一

今回は、メインコンテンツ「装置産業における自動化の課題と解決ア
プローチ」の執筆者であり、また、8/28(金)開催のセミナー講師も務め
るコンサルタントのプロフィールをご紹介します。
*セミナー詳細は下記【お知らせ】欄を参照ください

講師紹介 : JBICシニアコンサルタント 鈴木 滋美(すずき しげよし)

1.職 歴:
・1969年~ 国立大学機械系学部を卒業後、プラントメーカー入社
石油化学プラントの設計・建設・プロジェクトマネジメン
トに従事
・1974年~ エンジニアリングメーカー勤務
化学工場・食品工場の設計・建設、工法開発、コンサルテ
ィング、および自社のエンジニアリング業務改善に従事
・1986年~ 経営コンサルティング会社勤務
・VEやIE、品質改善手法によるコストダウンや生産性・
品質改善の支援を担当。
・その過程で、従来手法で手に負えない問題に幾度か直面、
固有技術に踏み込む新しいコンサルティング技術を開発。
・2003年~ 独立して「オープンロード経営研究所」を設立

2.専門分野:製品改善、生産性向上、品質改善、新製品・新技術開発等

3.指導実績:コンサルティング歴通算34年
国内78社(85拠点)、海外(韓国・台湾等)8社(11拠点)

4.資格等:(社)全日本能率連盟 認定 マスター・マネジメント・コンサルタント
(公財)日本生産性本部パートナー・コンサルタント
一級管工事施工管理技士

装置産業の中でも特に加工系工場で、自動化に取り組んでおられる工
場長、製造部長の皆さん、また8/28(金)開催セミナーへの参加を検討さ
れている方々の参考になれば幸いです。

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【メインコンテンツ】装置産業における自動化の課題と解決アプローチ 4
~オーナーズ・エンジニアリング それをどう実践するか~
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文/鈴木 滋美(すずき しげよし)

3.解決の道筋と具体的な解決内容
メルマガVol.195とVol.196において4つの事例で自動化の課題を紹介し
ました。ここでは、解決の道筋を述べた上で、各事例に即し具体的に説
明します。(事例には、業種や取り組み内容を含め大きなデフォルメを
加えてあります)

3-1.解決の道筋
(1)マテリアルの姿(材質、形状)と挙動(材質や形状の変化、動き)を主役
に据える。
製造工程の主役はマテリアルの姿&挙動です。設備・作業・システム
も自動化も効果的なマテリアルの姿&挙動の実現手段。
(2) 原理を見える化する。
効果的なマテリアルの姿&挙動の実現には、原理に即した取り組み
が不可欠。原理の見える化がそれを可能にします。
(3)取り組む原理を絞る。
原理に即した取り組みといっても、製造工程には複数の原理が複雑
に絡んでいます。まず1つの原理に絞って取り組み、先が見えてか
ら残りの原理に取り組む進め方が成功の鍵。
(4)上記(1)(2)(3)は工夫すればさほど手間がかかりません。自ら実践
するゆえにオーナーズ・エンジニアリングです。

3-2.事例に即した具体的解決内容
【事例1】素材セット作業の自動化(Vol.195 7.22)
・事例紹介で「解決の道筋は、メッキの原理を理解した上でその原理を
素材のセットの仕方に具現化すること」と述べました。素材表面の電
流密度がメッキの品質・生産性を支配するので、電気力線を描くこと
がお薦めです。電気力線は素材の形状・配置と電流密度をつなぐ原理
を見える化します。
・シミュレーションを使えば電気力線を描けますが、詳細に正確に描
こうとするとすると失敗します。「大雑把で多少不正確でも見えれば
(全く見えないのと違って)原理に即した取り組みができる」というア
バウト作戦で行きましょう。

【事例2】ラインスピード変更の自動化(Vol.195 7.22)
・シート製造工程を連続運転するするため、連続プロセスのラインスピ
ードの定期的変更を行うと、半端な長さのロールがたくさん生まれ、
すっきりした生産管理・品質管理が実現できなくなります。このよう
なことは計画の初期に解決すべきですが、自動化の実現性・予算・人員
配置・所要スペース・工期に関心が集中し、仕組みは後回しになりが
ちです。
・このような問題を解決する鍵が「効果的なマテリアルの姿&挙動」です。
これはプロセス設計だけが対象ではありません。ラインスピードの
定期的変更を行っても、すっきりした生産管理・品質管理実現のため
半端なロールは作らない‥と決めることも、大事なマテリアルの姿&
挙動の設計です。工夫すればさほど手間がかからないので、計画初
期にやると決めれば実行できます。
・定期的ラインスピード変更を行っても、半端ロールをつくり出す前
に終わらせて半端ロール=ゼロのすっきりした管理にすることも可能
です。
初期にマテリアルの姿&挙動の設計を行うことで厄介な課題がまな板
に載り、重要パーツが汚染しないよう知恵を尽しラインスピード変更
なしの運転に変えることができた。歩留大幅UPで業績が目に見えて
良くなった‥というハッピーストーリーもあります。

【事例3】成形工程の自動制御(Vol.196 8.5)
・事例紹介で「押出成形の原理を理解した上で、その原理を味方に引き
込む」と述べました。押出成形でつくる樹脂シートの断面はフラット・
プロファイルになりません。
その支配的な原理は2つ。
(a)押出金型内部の流路が樹脂を左右にうまく分配できれば全体とし
てフラット・プロファイルになるが、分配が悪いと凸カーブ(or凹カ
ーブ)のプロファイルになる。
(b)シートは、金型リップを出た瞬間から着地するまでのエア・ギャップ
で樹脂の表面積を狭くしようと幅を狭める。断面積が変わらないの
でその分 分厚くなる。(これは樹脂の粘弾性と引張っこする現象で、
エア・ギャップが広いと大きく変化する)
・原理が分かったら、その原理を味方にすればフラット・プロファイル
に近付きます。
(a)シミュレーションで樹脂をうまく分配できる金型内部の流路を決
めることができる。
(b)(樹脂の表面張力と粘弾性はいじれないので)エアギャップを限界
まで狭くして、分厚く幅狭くなる前に着地させることができる。
・樹脂物性のバッチ差に対応する微調整は必要でも、大袈裟な自動制
御は必要ないでしょう。マテリアルの姿&挙動を主役に据えれば簡単
に解決できたのに、装置やシステムの機能や機構を主役にしたので
厄介な問題を抱え込みました。

【事例4】欠陥を見えなくしてしまう自動化(Vol.196 8.5)
・マテリアルの姿&挙動が主役ですから、シート製造工程でシートが真っ
直ぐ走っているか&巻き取ったロールの端面がきれいかは大事です。
しかしシート張力が低いところでは、ローラーとの面圧が低くて横
滑りし走行軌道がぶれたり、ロール巻取で半径方向応力(層間面圧)
が低くて横滑りし端面不揃が発生したりします。この対応としてEPC
(Edge Position Control)などが使われます。走っているシートが右
側に寄ったらローラーを傾けて左側に戻したり、巻取機を右にずら
してロール端面を揃えたりします。
・しかしEPCを使うと、もしシートが湾曲している欠陥品であってもそ
の欠陥を見えなくします。欠陥は見えなくなっても消えたわけでは
ないので、必ず問題が顕在化します。
たとえば、ローラーを傾けるとローラー・アライメントが狂うので斜
めじわを誘発しやすくなります。
ロールの端面はきれいでもほどけば再び湾曲が現れます。従ってシー
トの湾曲などの欠陥があるのかを知る必要があります。
たとえば、定期的に長い廊下でロールをほどいて広げる方法です。

以上、お付き合いいただきありがとうございました。身近なところから
こういう取り組みを始めてみませんか。

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【お知らせ】装置産業における自動化の課題と解決アプローチセミナー
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多くの工場が装置の稼働や制御の問題で苦労しているようです。
たとえば‥
・下流工程にチョコ停が多く、欲しい量が出せない。歩留が低い。人が
多い
・精度を求めるとシステムが大掛かりになり、投資と製造能力の問題で
前に進めないでいる
・制御システムの限界で求める品質が出せない。そのためNo.2に甘んじ
ている
・自動化投資をしたが、新たな問題が出てきて省人に結びつかない。
というような問題です。

この問題をていねいに分析すれば‥
・品物がどう動くか、それを機械にどう扱わせるのかを設計していない
装置
・原理を無視して、隅から隅まで舐めるように制御しようという無理
・完結するストーリー欠落のまま、「後は頼む」と現場に渡した装置
というような無理(無茶)が見えてきます。無理を冒したので苦労して
いるわけです。

このような無理に陥ってしまう。その根っこは共通しています。
根っこが共通しているので、解決の道筋も共通しています。

共通の根っことは、いったいどんなことか?
解決の道筋とは、どんなものか? どうすれば実践できるのか?
事例を使って具体的に解説します。

【主な内容】
1.装置産業における自動化の課題
2.問題の根っこと解決の道筋
3.共通の根っこと解決の道筋(オーナーズ・エンジニアリング)
4.そのオーナーズ・エンジニアリングをどう実践するか
【日時】
2020/ 8/28(金) 午前の部 10:00~12:00 Zoomによるオンライン開催
午後の部 14:00~16:00 Zoomによるオンライン開催
*午前も午後も同じ内容です。

担当講師:鈴木 滋美(すずき しげよし)
開催場所:オンラインにて

費用:1名のご参加につき 10,000円(消費税等込み)

支払い方法:*開催日3日前までに弊社指定銀行口座に振込
ご入金確認次第、招待URL等を送付します。
なお振込手数料は貴社ご負担ください。

お申込方法:本メールへの返信、またはお電話で承ります。
午前か午後かを明記ください。
03-3519-7337 荒柴まで(不在時は鶴田までお願いします)。

申込期限:2020月8月21日(金) 24時まで。
※午前・午後ともに最少催行人数は3名様です。満たない場合には
開催を取りやめる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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編集後記
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高田:自宅にほど近い湘南平は標高200m足らずの丘陵帯ですが、比
較的自然林が保たれており、蝶や甲虫の種類も豊富です。猛暑の
盆休みは毎日のように入り浸り、昆虫少年だった血が騒ぎました。

鈴木:集合住宅の中庭を歩いていて、木の根もとに1cmくらいの穴が無数
にあいているのに気付きました。見上げると枝という枝に蝉の抜け
殻がびっしり!この一つ一つの穴から、地中で何年もかけ育ってき
た幼虫たちが一匹ずつ地上に出て羽化し、今鳴いていると思うと、
「蝉の声が暑苦しい」なんてとても言えなくなりました。
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メルマガの感想・要望があればぜひ、こちらへお願いします!

E-MAIL:< tokyo@jbic.co.jp >

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■発行人:日本ビジネス革新コンサルティング株式会社 荒柴宏充
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