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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント vol.175 2019.9.25
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日本ビジネス革新コンサルティング株式会社(ジェイビック)3,756部
省エネ・品質改善・物流のコスト削減で利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラムです。
15号の次に17号と大型台風が週末の日本列島に大きな被害を出し
ています。天気予報とニュースから目が離せません。
今号の目次↓
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【ごあいさつ】省エネ活動に一発屋は要りません
【メインコンテンツ】中間報告会を活用して全員参加を盛り上げる
【お知らせ】全員参加の省エネルギーセミナー
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【ごあいさつ】省エネ活動に一発屋は要りません
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文/高田 真一
『ホームランはありませんでした』
18年前、JBICが支援した最初の省エネプロジェクトの最終報告会の
席上、チームリーダーがおもむろに口を開きました。
『2塁打と3塁打が数本、たくさんのシングルヒット、四死球とエラ
ーによる出塁も重なって高い削減率が達成できた』
新技術開発につながる画期的なものは出ないが、効果の大きさでいえ
ば中小の案が大量に生みだされるJBICの省エネプログラムの特徴がうま
く表現されていて印象に残っています。
別の企業では、メンバーの一人が率直な感想を述べてくれました。
『工程の機能が明確になり、原点に戻ることで新しい発想が生まれた。
検討資料は、後進の指導教材にも使える。製造、設備、技術とディ
スカッション出来て視野が広がった。最初は「やらされ感」もあっ
たが、終わってみると、学生時代のクラブ活動のようだった』
JBICのプロジェクトを経験された若手メンバーは、おしなべて「大変
だったけど楽しかった」と口に出し、そんな部下たちを見て、事業所ト
ップは「大きく成長してくれた」と目を細めます。
工場長、製造部長の皆さんには、JBICを利用して、定量的な成果が伴
ってこそ人財育成が図られるという実感を得ていただきたいと思います。
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【メインコンテンツ】中間報告会を活用して全員参加を盛り上げる
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文/石塚 健志
全員参加を実現するには、その事業所のトップが全体の指揮をとる必
要があります。指揮をとるとは、どのようなタイミングで期待事項を全
員に周知させたら良いのか、方向性がどこに向かっているかを知り、必
要に応じて方向修正をさせるタイミングはいつが良いのかをはからなけ
ればなりません。
うまいタイミングでこれらを行えば間違いなく全員参加が盛り上がります。
各部門から報告をうけたり、アドバイスしたり指示を与えたり、少なく
とも月次で行えばいいのですが時間がかかりすぎる上に全部門に周知さ
せることが出来なくなります。まとめてやる機会を設ける方が断然効率
的です。
よく行われている成果発表会は毎年開催するだけでも大きな労力を要
しますが、それだけでは途中経過での中だるみが生じてしまいますし、
方向修正が出来にくくなります。そこで、発表会を途中で何回も行なう
事をお勧めします。
発表会ではないので報告会とします。通常、全員参加の省エネ活動は
1年間が活動期間となりますので、全体を4つに分けて、中間報告会は
3回行なうようにします。おおよそ3ヶ月に一度になります。
同時に、進め方を次のように変えることも考慮する必要があります。
例えばですが、
(1)第1段階(1~3ヶ月) ムダを見つける
(2)第2段階(2~6ヶ月) 改善効果を見積り、改善の難易度を評
価してランク付けし、1~2年間の効果全体を予測する
(3)第3段階(7~9ヶ月) 改善方法を考案して、投資採算性をは
じめとする適合性の検討をする
(4)第4段階(10~12ヶ月) 総合的に整合性をはかり、実行計
画を作る
通常は、目標が1年間で例えば3千600万円とすると、毎月300
万円になりますので3ヶ月目には300万円×3カ月=900万円が達
成できたかどうかの発表とすることが多いと思いますが、発想をがらり
と変えて、最初の3カ月間は、徹底的にムダを探すことに徹します。
改善できるかどうか、投資が必要なので投資金額を見積もらないと判断
出来ないとかを考えずに、ムダが無いかどうかだけを考えます。
どんなにムダなく使っていると思っても、ほとんどの使い方では50%
のエネルギーのムダづかいをしています。おおよそ半分がムダと考えて
もいいと思います。
事業所トップはどんなムダを見つけて欲しいかのビジョンを持つ必要
があります。できれば「あらゆるムダを見つける」としていただきたく
思います。ムダを見つけたところで第1回の中間報告会を行います。
部門によってはムダを見つけるのがあまり上手ではないかもしれません。
この時使える手法として「社内ベンチマーキング」があります。
ベンチマーキングは、ベストプラクティスを社外、他業種、海外に広く
求め自社に適用しようとするものでしたが、例としては航空会社が空港
での次のフライトまでの整備時間を短縮するために、F1レースのピット
イン作業をベンチマークして、例えば給油時間を短縮するためにF1では
加圧して給油している事を知り、航空機燃料も加圧して給油したとかの
事例が報告されていました。
常に言われていたのは「社外や他業種にベストプラクティスを求める活
動を成功させるポイントは社内ベンチマーキンである」でした。その理
由は社内にたくさんの参考にすべきベストプラクティスの事例があるが
それを抽出する能力がないのであれば社外や他業種に求めても「あそこ
は参考になりませんでした」で終ってしまうからであったと思います。
事業所トップだけでなく見聞の広い幹部の方々にはそのような指導を期
待します。
第2段階の中間報告会では、成果の見通しが主要な議題となりますので、
もっと多くの成果を求めるならば、何をすればいいか考えていただきます。
・お金が必要なのか(試作費用を用意できるか、投資費用を確保でき
るかなど)
・検討工数が必要なのか(技術を持っている部門や人財にこの活動に
割ける時間を増やすことが可能かなど)
・専門家の参画が必要なのか(特に社外の専門家など)
・挑戦意欲を喚起する必要があるのかなどとなります。
第3段階では、組織が保守的になっていないかが問われますので、慎
重に取り組んでいただく必要があります。組織は常に創造的でなければ
なりません。あらゆる機会を通じて組織の保守性が健全なものであるの
か、過度に保守的になっていないか見張り続ける必要があります。
もし保守性が優っているならばその原因を調べて手を打ってください。
そのために必要であれば中間報告前に事前説明を求めるのも一つの方法
です。ここで成果が決まる大事な段階です。
第4段階は中間ではなく、活動の最終段階ですので、作成した案の実
行率(或いは実施率)を高めなければなりません。更には実行した案の
定着率を高める仕組みも考えてください。
というような活動運営が可能になりますので一考願います。
このように全員参加の省エネルギー活動を企画運営できれば盛り上が
ることは間違いありません。
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【お知らせ】全員参加の省エネルギーセミナー
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省エネルギーを一部の専門家だけの活動にしてしまうとすぐに行き詰
まります。多く見られるのは設備部門や工務部門に任せっきりにしてし
まっている活動です。
このような場合、設備部門からは「計画的にインバーターを導入してい
るのに、運転モードに対応して回転数を変える使い方をしてくれない」
などという声にあらわれてきます。
この例ではインバーターとしましたが、すべての省エネ機器に入れ替え
ていただいても通じます。
一方、製造部門からは「設備部門ではLED化を進めているが、更衣室
だとか倉庫だとか点灯必要時間の短いところばかりを優先的に入れてい
るのはおかしいのではないか」と他人事のような意見にあらわれてきま
す。
活動を全員参加で進めたいがうまく計画できないでいる方々を対象に、
以下の内容を解説していきます。
セミナーを企画しましたのでご参加を検討してください。
【内容】
1.対象設備のリストを作る
2.設備の仕様と、運転管理の実態を知る
3.熱収支と電力使用のデータを集める
4.テーマの素材を登録する
5.テーマを具現化する
6.組織的に適合性を検討する
7.実行計画を立て、実施・フォローアップする
8.ステップに対応した各部門の役割設計例
【日時】
2019/10/11(金) 10:00~12:00/14:00~16:00
担当講師:石塚 健志
開催場所:東京・赤坂見附。詳細は別途ご連絡いたします。
費用:1名のご参加につき 10,000円 当日現地支払
お申込方法:セミナータイトルとご希望の時刻をご連絡ください。
本メールへの返信、またはお電話で承ります。
03-3519-7337 荒柴まで(不在時は鶴田までお願いします)。
申込期限:2019月10月4日(金) 24時まで。
※参加人数により会議室を変更しますので事前申込は必ずお願いします。
※午前・午後ともに最少催行人数は3名様です。満たない場合には
開催を取りやめる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
多くの方のご参加をお待ち申し上げております!
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編集後記
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高田:一般道で、車間距離を詰めてくる軽自動車が気になりました。
ミラーには、ハンドルにしがみつくお爺さんに、助手席のお婆さ
んが指示している姿が。。「あおり運転」の恐怖を味わいました。
石塚:私の住んでいる千葉県佐倉市が10年ぶりに陸の孤島となりました。
10年前は大雪で鉄道は動かず、道路が凍りづけとなりバスだけで
なくタクシーさえ走りませんでした。今回の台風15号は突風や竜
巻で停電が長引き、電車は全滅、道路は信号が灯らず大渋滞、交通
量が多くて信号がない道路の怖さを体験しました。
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工場長・製造部長のコスト削減マネジメント
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省エネ・品質改善・物流のコスト削減で利益創出体質を実現!
工場のコスト削減コンサルティングファームのコラム。
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■発行人:日本ビジネス革新コンサルティング株式会社 荒柴宏充
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